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研修医Fさんの場合(前編)

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当サイトでは、若手の先生方がどのようないきさつで今のキャリアプランを選んだのか、インタビュー形式でご紹介していきたいと思います。今回は「研修医Fさんの場合(前編)」です。

医療系コンサルタントである管理人が執筆しています。

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「研究と臨床、その両方にわたって高い能力を有すること。そのうえでがん、特に肺癌の分野で基礎と臨床の橋渡しとしての役割を果たすこと」

私がそのような目標をもつまでにはさまざまな紆余曲折があった。

岐路に立ち思い悩んだこともあったが、とりあえずやってみようと一歩踏み出すことを繰り返し、今の自分があると思っている。

いくつかあった岐路のなかで一番大きな決断を迫られたのが、MD-PhDコースヘの進学である。

同コースは学部四年次終了後に一度退学し大学院博士課程へ進学、三年間大学院生として研究活動に従事し学位を取得した後、学部五年次へ再入学するというものである。

今では多くの大学で導入されているが、徳島大学においても私が大学二年のときにこのコースが新設された。

大学入学時は基礎研究に対して興味はなかったのだが、大学二年のときたまたま真面目に聴いていた生化学の講義で、最先端の研究を熱く語る教授の話に惹かれ教室に顔を出すようになった。

生化学実習では与えられた手順を黙々とこなすだけで何一つ面白さを感じることはなかったが、自ら望んで研究室に足を運び指導を受けながら行う実験では、何のためにその実験をするのか、一つひとつの手順にどのような意味があるのか、反応の待ち時間の問にどのような反応が起きているのかを理解しながら行うことで、基礎研究に対して魅力を感じるようになった。

大学四年次の春、後に私の恩師となる呼吸器内科の教授との出会いがあった。その出会いが私にとって転機となった。

教授は私が基礎研究に興味があることを知るとMD-PhDコースヘの進学を勧めてくださった。

当初は適当に聞き流していたが、教授はそこから約半年間にわたり、ただの一学生である私に熱心に声をかけ続けてくださった。

その熱意に心を動かされ、また実際にその教室に足を運んでみると、そこには尊敬できる先生方が多数おられることを知り、その環境で指導を仰ぎたいと思うようになった。

ただしそのコースヘ進学するとなると医師になるのが三年間遅れる、親に金銭的な迷惑をかける、四年間一緒に過ごした同級生と離れることになる、部活もやめなければならない。どちらに進めばいいのか、正直どんなに悩んでも頭の中で考えるだけでは結論は出なかった。

ただどのようなマイナス要素があるにしても、挑戦してみたいという気持ちがある以上、やらずに後悔するよりはとりあえずやってみようと思い、そのコースヘの進学を決意した。

どちらの結論が正しかったのかは今でもわからない。ただしそのコースヘ進み三年間肺癌の研究に携わったことで多くの経験、出会いがあり、学位を取得でき、冒頭に述べた自分の目指す道が定まったわけであり、私にとってはよかったと思っている。

(続く)

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